眼瞼けいれんは、けいれんという名前がから誤解されがちなのですが、まぶたがピクピクする状態のことではありません。
眼瞼けいれんとは、自らの意思とは関係のないところで、まぶたの筋肉がこわばってまぶたが開けにくくなる疾患です。そのため必ずしもまぶたがけいれんするとは限りません。50歳以降の女性に多く見受けられます。
なお、まぶたのピクピク(上眼瞼や下眼瞼の一部が、虫の這うような勝手な動きをする症状)は眼瞼ミオキミアという疲労やストレスからくる一時的な筋肉の収縮による疾患のことが多く、眼瞼けいれんとは異なります。また眼瞼ミオキミアは下記のボトックス治療の適応になりません。
実際にドライアイを合併している場合もありますが、まぶしい、目が乾くといった症状のためドライアイの治療を受けるも眼瞼けいれんの存在に気付かれていない場合があります。そのため眼瞼けいれんは眼科でしっかり鑑別する必要があります。
片側顔面けいれんは、自分の意思とは関係なく片側の顔面の筋肉(主に口角と眼)が収縮してしまう病気です。進行するとまぶただけでなく、頬や口元にもけいれんの広がりを認めます。
主に片側の目の周囲から始まって、次第に頬や口元などに広がっていきます。そのため顔貌が左右非対称となることや日常生活に支障をきたす場合もあります。
片側顔面けいれんなどを認めた場合、頭の中に器質的な原因がある可能性がありますので、一度適切な施設にご紹介し、頭部MRIを行います。
当院では、眼瞼けいれん、片側顔面けいれんに対する治療として、主にボツリヌス毒素療法(ボトックス治療)を行っています。これはボツリヌス毒素を利用して、けいれんを起こしている部位の筋肉に直接注射をして、けいれんを抑えるようにします。なお、眼瞼けいれん、片側顔面けいれんに対するボトックス療法は、ボツリヌス療法の講習を受け、ボトックス使用の認定を受けた医師のみしか施行できません。当院では院長がボトックス使用の認定を受け、治療を行っております。目のまわりや顔のけいれんでお悩みの方は一度ご相談ください。
(なお、まぶたがピクピクする病気である眼瞼ミオキミアはボトックス注射の適応ではありません。)
ボトックス治療は完全予約制です。初診日に治療することはできず、別の日に完全予約で行います。